夏になると思い出すあの話

まだまだ暑いのが続きます。
夏になるとふとあの話を思い出します。思い出しついでにそれについて書いてみようかと…。それはオイラが学生時代の話で、友達に仮にA君、としますが、そのA君の話です。
A君はちょっと変わった人で、なんと例えましょうか。男版の涼宮ハルヒとでもいいましょうか。不思議なモノ、面白いモノが大好きで、カメラをいつも持ち歩いていました。
そのカメラで撮ったものを幾つか見せてもらったんですが、…まぁ残念ながら心霊系もUFO系もありませんでしたが、ほぉ〜珍しいな。っていうのが沢山。草むらで蛇が沢山群がっている様子だとか、彼の家の隣のアパートに住んでいる一人暮らしの男がチンコ丸出しで洗濯物を干している様子だとか。
で、面白いもの見たさで彼は廃墟マニアの一人でもあったわけで、当時はそれほど有名ではなかった山口県光市の7つの家(当時は呼び名などありませんでしたが)にもいったわけですよ。まぁ不気味な場所ではありますが、別に幽霊が出たとかいう話もあるわけもなく、惨殺されて人が居なくなっただとか後で適当な噂がくっ付きましたけど、そこはモデル住宅展示場があった場所で、役目が終わった後、売りに出されたのですが立地条件悪すぎて書いてつかなかった場所らしいです。友達と二人で廃墟の写真を撮りにいったらしく、草木が生い茂るその嫌ぁ〜な場所の写真をいくつか見せてもらいました。まぁ案の定、幽霊のユの字も見当たりませんでしたけど。
1回友達と行っておきながら、まだ撮り足りないので行きたいとか言い出したのです。オイラを誘ったこともありましたけど、激しくお断りしました。っていうかオイラはビビリなので心霊スポットとかは、マジでカンベンだったのですよ。そこが心霊スポットというわけではないけど、やっぱりなんか異様な場所じゃん?いろんな意味で。
そしたらA君は、ひとりでそこへ行ったらしいのです。1回友達と行ってるから慣れたんだろうけど、「よく一人でいくよな?」なんて話をしておりました。
そのA君が一人でそこへ行った時の感想。
「草むらを抜けて家の近くに行った時、鳴り響いていた蝉の声が消えた」
うひょぉぉぉぅぉ!KOEEEEE!で、幽霊は見たのかと聞けば、特に何も。まぁそうだろうな。ですが…しばらくたった暑い日、A君が学校に来たとき、オイラは初めて「"ゲッソリした顔"ってそういうのなんだ」ってのを見ました(笑)
嘘かホントか知りませんが、A君が一人であの7つの家に行った後、7つの家で写真を撮る夢を毎晩見たそうです。あぁ、別に幽霊が出る夢じゃなくて、ただ写真を撮ってまわる夢。で、その日も夢で写真を撮ってたらしいですが、起きたら7つの家の場所に来てたそうです。しかも深夜の2時。てか、A君は上関に住んでるのに、寝ながら車でそこまで運転してくるって馬鹿としか思えませんよ。
車はエンジンつけっぱなし、その車のライトを頼りに、泣きそうになりながら7つの家を後にするA君。で震えながら自宅まで猛スピードで帰ったそうです。A君は夜中に家を出たそうですが、カメラ持って出て行ったので友達とどこかに行くのだろうと両親は止めなかったそう。一体どういう顔してあの廃墟まで行ったのでしょうね。
それから何年かして、7つの家ははれて心霊スポットとしてテレビで紹介されたとさ。
A君は今もあいもかわらず廃墟廻りは止められないそうです。そう考えると幽霊うんぬんじゃなくてAが単に頭少しオカシくて廃墟に取り憑かれるあまり、無意識に深夜のランデブーしたのだろうと思っております。