2 初登校 4

「まだ教科書貰ってないんだ」
その為に日和の隣に座らせられてるんだからな。1時限目の授業から俺は教科書持ってないから日和に見せてもらわないといけなくなってる。
「よし、妹よ。俺が見せてやるぞ」
カバンをまさぐる日和。筆箱が出てきた。
なんかのアニメキャラが描いてある筆箱。
「なんなんだよ、このアニメ筆箱は!」
「ふ。これか?これはだな…(略」
「こんなの学校に持ってくるから苛められるんだぞ」
「俺は苛められてねぇ!」
続いて教科書が出てくる。
机の中央に置く。でも日和の机の中央にだ。
「もっとこっちに置いてよ。見えないでしょ」
「お前がもっとこっちによってこいよ」
「嫌だ!」
「寄って来てください」
「ああもう…しかたないなぁ」
俺は自分の太ももが日和の太ももにくっつくぐらいに身体を寄せる。こうでもしないと教科書を見せてくれないらしいからな。
「ああああ!いい!七海の体温が伝わってくるよ!」
「わかったから落ち着けよ、兄貴」
「後はその男みたいな口の聞き方だな。それと俺の事は兄貴じゃなくて『お兄ちゃん』だろ!」
「今どき自分の兄の事を『お兄ちゃん』だとか呼んでるのはドラマかアニメの中だけの話でしょ。普通は『おい』とか『お前』とか『サル』とかで呼ばれるもんなんだよ」
「どんだけ兄貴を貶めればいいんだよ!お前には家族の温かさっていうのが解らないのか?呼び方一つでも精神的に助けられるはずなんだよ。ほら、こうやってスキンシップしてても、お互いの身体の温かさとか伝わってきて気持ち良いだろ?俺は気持ちいい」
「絶対、気持ちいいの意味はき違えてるでしょ。頼むから授業中に変な液出さないでよね」
「ちょッ、おまッ!ださねーよ!そんなもん!クソッ。昨日のこと思い出してきた」
「昨日のこと?」
「ほら、風呂場で…その、アレだよ。アレ。俺の出したのを掃除したじゃん」
「ん?だから?」
「いや、その…自分の排泄物をだよ、自分以外の奴が掃除してるって、なんか、すごいプライドが傷つけられるというか。寂しい気持ちになるっていうか」
「そんなところでプライドもたれても。もっと普段から最低限度のプライドを持とうよ。こんな筆箱を(日和の筆箱を取り上げて)人前に見せないようにするとか」
「おい、やめろ。それに触るな」
「しかし気ッ持ち悪いなぁ。このアニメって日曜日の朝8:00ぐらいからやってる子供向けの奴じゃないのか?ったく、いい歳こいた大人がこんなものを」
「返せよ!」
「おっとと」
日和の手が宙を泳いで、筆箱を取り上げようとするが軽くかわされて、その泳いだ手が次にどこへ向かったかというと、弾みで俺のおっぱいに。
「ひゃッ!」
「おおお!」
の瞬間、先生が「こらッ!静かにしろ!」
「…(俺は胸を腕で隠して日和を睨む)」
「おいおいおい、事故だよ、事故」
「はぁ?事故ぉ?」
「それにしてもアレだな。なんか昨日よりも柔らかくなかった」
「あ゛ぁ゛?」
「いや、昨日の風呂の時よりもさ」
「あのさ、ブラつけてるからでしょ」
「おお。そうなのか」
先生がこちらを睨みながら「椎名兄弟。静かにしろ」
(一同クスクス笑う)