6 新しい生活・新しい部活 7

「椎名さんだっけ…どう、テニス部入ってみる?体験入部もあるよ」
えと、椎名さんって言われたら、椎名さんだよね。俺のことか。
「えーっと…」
やめとこうかな。面倒臭そうだし。
「おお、こいつ、さっきやってみたいって言ってましたよ。そうそう。テニスのコスプレもしてみたいって言ってたし」
「言ってないし!」
「いいよ、貸してあげるよ?初音、持ってなかったっけ?」
初音って言われたのはその『先輩』の後ろに隠れた小さい女子の事みたいだ。確かに俺と同じで背が小さくて体格そっくりだ。でも人が着てる奴を切るのはちょっとなぁ…。
「あ、はいー!部室にあるのでそっちで着替えましょう!」
え。もう着る事になってるの。
「よかったな、七海。夢が叶って」
「おーい…」
俺は手を引かれて初音って人に部室へと連れていかれた。
はい、と差し出されたのは洗濯したてのユニフォームだ。
それにしても、俺はテニスウェアを着るのが目的でもないし、テニスをするのも目的でもないし。冷やかし気分で部活見学しただけなのに。なんでこんな事に…しょうがない。ちょっとだけテニスとやらをしてから帰るか。ゲームでやったことあるからちょっとならルール解る。
俺はその初音って人がワクワクした目で俺を見てる中で、テニスウェアに着替えた。ノースリーブタイプ。胸元が結構パンパン。なんか谷間見えそうだぞこれ。
「うわー!凄いですねー!スタイルいいなぁ」
「きっつ…」
「おっぱいのとこ、きつそう。うわ…えろい」
「このボタン閉まらないのかな」
「やっぱり、胸が大きい人が着るとエッチな感じになるんですね」
胸が小さい人が着たらボタン閉めるけど、胸が大きい人が着るときはちょっと外さないと着れないのか!あの野郎。これ知ってて着せやがったな。