6 新しい生活・新しい部活 6

「げ、椎名君がいるよ。先輩!先輩〜!」
ん?なんだろ?テニス部員の一人、さっきから玉拾いしてた小さな女の子が「先輩」って呼んでる人達が沢山いるところへ走っていく。「椎名君がいるよ」って?
「なんか呼ばれてるみたいだよ」と俺。
「へぇ?」
すっ呆けた顔して、俺が忠告してもずっとテニスコートの中の女子の『尻』と『ふともも』の辺りから視線を話さない日和。
「こらー!」
なんかそんな感じの事を言いながら、学年が一つ上っぽい女子が4、5人こっちに走ってくる。明らかに冬に冬眠し損ねて、畑に餌を探しにイノシシを猟銃もって追いかけてくるお爺さんみたいな感じだ。それでもケツとフトモモから目を話さない日和。しょうがないので俺が日和の頭を持って、その先輩達のほうへ無理やり向けてやった。
「おい、見るな!椎名!椎名日和!」
「んぉ?」
日和の視線はまさケツとフトモモに。
「だから見るなって言ってるでしょ。部員が怖がってるでしょ。このエロゲオタク!目を潰すよ」と、そのテニス部先輩はラケットを持って日和の目に向けて潰す宣言をしてる。
「なんだよ?俺は七海…つうか、妹の部活見学に連れて回ってるだけだぜ?」
っていうか、人と話をする時はちゃんと顔を見て話をしろよ。なんでさっきからずっとフトモモを見ながら話してるんだよ。
「だからアンタはどこ見て話してんだよ!顔を見なさい顔を!」
「んぁ?」
今度は日和はその『先輩』の後ろにいた、さっき玉拾いしてた小さな女子を見た。「ヒッ」と言いながらその先輩の影に隠れる女子。
「ったく、こんな奴が兄貴で大変ねぇ」
いえいえ…。