1 七海と日和 3

電話が鳴る。
内線だ。
「はい」と日和がそれを取る。
「風呂入れってさ。先は入っていいよ」と日和。
「あ、そう。それじゃあ、お先に」
俺は風呂に入って、30分ぐらいしてから風呂を上がった。
確かに俺は風呂が長い。親父に似て長風呂なんだ。男の時はスポーツ刈りだったから洗うのは楽だったけども、女になってから、肩まである髪を洗わないといけないし。
でも、脱衣場に日和がいるのには驚いた。確かに俺は長風呂だけどさ、あんまり長くて我慢できずに風呂に入ってくる男が居るのか。女がまだ入ってるのに。
「お!お!お!」
日和が叫ぶ。
「…」
俺、開いた口が塞がらない。
二人の間の距離30センチほど。
「お、落ち着けよ。叫んだり、ビンタしたりするなよ」と日和。
「な、何やってんの。混浴なの?」
「いや、ち、違う、つか、クソババアが七海がもう上がったっつてるから、入ろうと思って!上がってなかったのかよ!」
下のほうで何かが動いたので俺はついそっちに視線が行ってしまった。いや、下に何があるのかわかってるんだけどね。まさか動くとは思わなかったよ。亀の頭みたいなのがムクっと上を向いたんだよ。
「うわ。デケぇ…」と俺。
ついつい、そのまんまの感想を言ってしまった。俺が男だった時の自分のムスコさんよりも大きかった。でも俺が男だった時はまだ小学生の頃だったから仕方がないのだけれども、高校になるとこれほど大きくなるものなのか。
「ちょッ、ちょっと」
と言いながら、日和は自分の下半身を見て、大変な事になっているのに気付いてチンコを手で隠そうとするが、手に収まらない。
だが、日和が見たのは自分の下半身ともう一つ。俺の下半身。
「お前、パイパンなのな…」と日和。
いいからさっさとパンツ履いて外に出ろよ!
俺は怒って、「お父〜」と言い掛けた。
「さん」が言えなかった。日和が後から抱きついて俺の口を塞いだ。
「んんんん!」
思いっきりチンコがお尻に当たってる。
「んんー!」
胸も日和の腕が回ってきてる。
「頼む!俺が悪かった!何も言わないでくれ!頼むから!」
「ん…」
「解ったら頷いて」
「(こくり)」
ゆっくりと俺の口に置いた手を離す日和。
「おと〜ムグッ!」
再び日和の手で口が塞がれた。
「ちょッ!約束が違うじゃねーか!」
「(こくり)」
「いいか?マジでお願いします」
「(こくり)」
ゆっくりと俺の口に置いた手を離す日和。
「はぁ、はぁ、あの、お尻に、当たってるん、はぁ」
「え、何」
「当たってる。チンチンがお尻に当たってる」
「ご、ゴメン」と言いながらやっと、日和は俺を解放した。
この状況でもなお、日和のチンコは暴発寸前だった。
「頼む、マジで言わないで。マジで頼むから」
どうやら日和は俺の親父を恐れてるようにすら見える。
確かに、自分の娘に手を出されたと解れば、その相手をボコボコにするのが普通の親だ。でもまぁ、親父は俺が元男だって知ってるからあんまりそんな風にはしないけどね。多分。
「わかったから。早くお風呂に入れば」
俺は頭をペコペコ下げてる日和の肩を押して無理やりお風呂へと押し込んだ。
そしてドアを閉める。
「はぁ…やれやれ…」
いや、待てよ…。よく考えたらアイツ(日和)のチンコが俺の尻にペッたりくっ付いてたし、背中はアイツの胸についてたし、このままパジャマに着替えるのはなんか嫌だな。凄い嫌だ。
「洗わなきゃ」
さっき締めた風呂のドアを開ける俺。
「ちょッ、おまッ!!!」日和、驚いて叫ぶ。
「な、何やってんだよ」俺も叫ぶ。
オナニー中の日和の姿があった。
しかもイッた後みたいで、精液がタイルの上に落ちてる。
「そ、それは俺の台詞だ!」
いや、その状態で怒鳴られても…。
脱衣場から音が。ヤバイ。さっき俺が「お父さんお父さん」って言ってたからか。
「七海、どうした?」
俺と日和は顔を見合わせる。
「えと、なんでもない」と俺。
「ん?久しぶりに父さんと風呂に入りたくなったのか?」
「いや、入ったことねーし!いいからあっち言ってよ。もう直ぐあがるから」
「おお。そういや、さっき日和君の声が聞こえなかったか?」
日和、俺をまるで仏様みたいに拝む。でもその背後のタイルには精液。
「さぁ…?」
「そうか。仲良くしろよ。日和君と。お前のお兄ちゃんなんだからな」
トタトタと音が聞こえた後に、脱衣場の扉が閉まる音。
仲良く…ねぇ…。
俺は黙ってお尻と背中にボディシャンプーをゴシゴシつけたあとに、黙ってシャワーノズルを日和から取り上げると、黙って背中を流した。ついでに日和の精液も流した。固まって流れなくなったので、足でゴシゴシして流した。それから日和の股間にシャワーを当ててあげて、チンコについてる精液を流してあげた。
「これでいいでしょうか。お義兄ちゃん」
「…ごめん」
それからなんか身体が冷えたのでもう一回、風呂桶に入って、日和が身体を洗うのを見てたら、また日和は勃起してた。
「も、もう、何も言うな。ってか、お前、はやく出ろよ」
「はぁ…」
「いや、溜息いらねーから!」
初日でコレかよ…。