5 外食に行きましょう 4

ネカフェに入ってから、日和は初めて「お一人様席」以外の席、つまり、グループ席ってのに座る事になったようだ。このグループ席ってのは友達同士だとか、いや、訂正しよう。恋人同士で座る席で、大きなソファとゲーム機が備え付けてあるのだ。
まず最初に日和がソファに腰を掛けて、それから俺は床に腰を掛ける。
「おい」と日和。
「ん?」
「こっち開いてるから座れよ」
「え、隣にすわんの?」
「隣にすわんなきゃ、どこに座るんだよ」
「そんな恋人同士みたいな座り方できないよ」
「何でもやればできる」
「そういう問題じゃないと思うけど」
「いいから座れよ、座ってください」
俺はしぶしぶ日和の隣に座った。その時に「ああ、俺はいま生まれて初めて女の子と同じソファに座ってお互いの体温を確かめあっているんだ」とか言い出したから速攻で立ち上がろうとした、ところを、日和が肩をつかんで「まって、待ってくれ!」と引き止めた。
それから二人で落ちモノゲーとか格ゲーとかしながら時間を過ごした。
ちなみに、何故か日和は俺の身体を両腕で抱き締めるようにしてから、コントローラを握った。いい加減うざかった。本当にウザいと最初は思っていたのだけれど、なんだかとても温かくて気持ちよくて…本当に寝てしまった。酒が入ってたのも理由だ。
これがまずかった。
まずかったっていうのを気付いたのは後ですが。