6 初出勤 2

出勤する時にはお迎えが来る。
自宅に来る事も可能らしいけども、なんとなく自分が住んでるところを知られたくないので近所の公園前を待ち合わせ場所にして、運転手の『青葉』って人に来て貰う事になってる。
見た目は普通の車。でもそれがデリ車って呼ばれてる、お店の車だった。
青葉って人は自宅から事務所(といっても、マンションの一室だけど)までの車で連れてってくれるほか、お客さんが指定したホテルだとかにも連れてく。足になる人。年齢は40ぐらい。店長よりも年取ってるけども中途採用される前はタクシー運転手だったらしい。あまり多くは語らない人、らしい。
もちろん、俺もペラペラと話すタイプじゃないので無言のまま。
俺を乗せて待機場所の市内のマンションへと到着した。しかし、自分が住んでるところと比べると随分と…金持ちが住んでるようなマンションだった。こういうところにいつか住んでみたい。
でも住むには少し広すぎるか。
部屋に入ったら誰かいるのかと思ったけども、誰もいない。なんでも昼間のメンバーは休日にしか出勤してこないんだとか。という事は平日は俺一人って事なのか。