7 初めてのお客さん 3

「実は俺、風俗初めてなんだ」
「そうなんだ。あたしもそう」
「え?」
「風俗で働いてて一番最初のお客さん…」
「そ、そっか」
「もしかして、男性経験も無いとか…?」
「えと…うん」
ここで嘘をつく必要はないよな…。これはネットでお店のサイトを見たって事だろう。あの指入れ禁止とかいうのを見てるんだ。
「じゃあ、その、最初に何をしたらいいのかな。シャワー浴びるとか」
「あ、うん。一緒に浴びるの」
豪華な脱衣場。化粧室と言うのか?そこで服を脱ぐ。
美東が鏡越しにこちらをみてる。
素っ裸になった俺は、今度は美東の服を脱がせる。これがサービスとしてやるのかどうかはよく知らないけども、昔どこかで読んだ漫画に風俗嬢がそんなのをしてるのを見たから、自分でもやってみたのだ。
「あの、結城さん」
「え?はい?」
「抱き締めたり、キスしたりしてもいいですか?」
何でいきなり敬語なんだよ。それに、そういう仕事なんだから、それは覚悟してる。ただ、女がする覚悟と違うのは、俺が以前は男だったという事だ。だから女がしてるような覚悟とはまた違うもう一つの覚悟もしなければならない。
「うん…」
美東は俺よりも身長がかなり高い。180はあるぐらい。それが俺を抱いてキスするためには少し屈めないといけない。そして少し背を屈めた美東の顔が俺の前にきて、そして顔を真っ赤にして少し震えてる。もしかして、美東は風俗だけじゃなくて、こういう事をするのも初めてなのか?
覚悟を決めよう。これからここで働いていくって決めたじゃないか。こうなる事ももう知ってるはずだ。もしかしたら、これからもっとイヤラシイ事を同性で(向こうからみたら女性だけども)やることになるかもしれないし。
唇が当たる。
下半身、自分の秘所の部分に美東のアソコが当たる。身長に見合うぐらいの大きさのソレが股の間にある。それから背中に手が回ってきて、腰に巻きついた。
ちゅっちゅっと何度も美東がキスしてくる。でも、海外の映画にあるような舌を突っ込むようなディープキスというのは無かった。
やっぱり、美東は女性経験なしみたいだ。キスだけで言うのはあれだけど。