7 突然ですが雪山に行きます 2

県内はどちらかというと雪が降るほうが珍しいのだけど、ちょっと山のほうに上がっていくと北海道顔負けの凄まじい豪雪地帯になるみたいだ。親父が運転する車は除雪車の後ろをトロトロと走って、ようやく予定していた宿泊予定のホテルに到着したのは昼過ぎだった。と言っても、これから2泊3日するらしいから、ぜんぜん余裕だったけどね。
ホテルのチェックイン手続きをするのでと、俺と日和は二人で先に滑ってなさいと言われた。先に滑る?スキー道具も無いのに?
「スキー道具はこっちで借りるんだよ」
日和が案内した場所にはスキー道具をレンタルするところだ。
「へぇ〜。来たことあるんだ?」
「お袋と親父と一緒に何度かね」
「スキーもうまいの?」
「こう見えても滑るのは得意なんだぜ。スキーもしかり、受験もしかり」
「一つ滑っちゃダメなのがあるけど」
「俺ぐらいになるとスキーなんて子供の遊びぐらいに思えてしまうんだよ。オトナの俺はスキーよりもスノボーだぜ?」
別に日和がどっちをやろうと知ったことじゃないけど。俺はとりあえず日和曰く「赤ちゃんがヨチヨチ歩き出来るぐらいで習得できる」スキーというのをやってみる事にした。スキーウェアもスキー板も、全部レンタルできるんだねぇ。でも、ホテル宿泊者は無料とか書かれてるのに、なんで俺と日和は有料なのかちょっと腹が立ったけど、まぁいいか。それで、それらを装備してると日和が、
「大丈夫、俺が手取り足取り教えてやるよ」
「なんだかイヤラシイ言い方だなぁ」
「げっへっへっへ」