10 平日の来客 5

ズボンに手を掛けようとした時、それを男は手で制して、
「だ、大丈夫です。自分で脱げますから」
と言った。どうやら恥ずかしかったらしい。それもそのはずだ。フル勃起状態になっている。空に向かってそそり立っているアソコを手で隠しつつ、ズボンやらトランクスやらを脱ぐ。なんとも情けない格好のサラリーマンだ。
俺も彼の目の前でポイポイと服を脱ぎ捨てて、素っ裸になる。
二人でお風呂に行く。
お湯が入ってない…。入れるのを忘れてた。俺が入れなきゃいけなかったのか。焦りながら蛇口をひねってお湯を注ぐ。このまま戻ってソファのところで裸で待機するわけにもいかないし、俺はシャワーノズルを手にとって、
「身体を洗いまちゅよ〜」
と言って彼を案内した。
シャワーで身体をさっと流してから、ボディソープを手にとって彼の身体に塗りたくる。肩、胸板、腰、それから手を回して背中側。背中が側を手で擦っていると、男は俺の背中に手を回してきて抱きつく。乳首がつんつんと当たってちょっと刺激されるのが嫌なので、そのまま胸を押しつけて抱きしめ返すと、腰の辺りに男の勃起したアソコが当たる。
「あ」
と俺は無意識にそこから離れた。
「ご、ごめん」
男もなぜか謝る。別に驚く必要も、誤る必要もなかったのに。
そのそそり立っている肉棒を両手で包んでまたボディソープでごしごしすると、まるで腰の力が抜けているかのように、男は前かがみで腰を引っ込める。
「どしたの?あ、痛かった」
「いや、いや、全然。全然大丈夫ですよ」
赤く変色してがちがちになっている肉棒を再び両手で包んでゴシゴシ洗う。
「む、胸触ってもいい?」
鼻息を荒くして男が言う。
「あ、はい。どうぞ」
男の暖かい手が俺の胸を包む。寄せて谷間を作ったり、持ち上げたり乳首をつんつんとしたり、壊れやすいものを扱うように動くその手が異常に気持ちよくて気付いたら俺も身体をぴくぴくとさせていた。
「はぁはぁ…や、やばい、もうイキそ」
男は息を荒くして言う。もう行くのか、早いな…。
「あ、いくいくいく!」
手を俺の背中に回してきて身体をびくつかせる男。俺の手のひらに暖かい感触が広がる。もし1回目だったらこんなものが手のひらに広がっていたら(他人ものなら)パニックになるだろうが、2回目となると落ち着いたものだった。それをシャワーと一緒に流した。