21 愛のエプロン料理王決定戦 2

さて、この宇宙エレベーターへの旅行が今回の話にどう関係があるかというと…。実は網本のバカがこの宇宙旅行をすごく気に入っていて、一度はしてみたいとか言うんだ。時代錯誤な価値観を持った人がここにもいたよ…。
「そんなに行きたきゃ、お金を貯めていけばいいじゃん」
「バカ!そんなのに出せる金はどこにもねーよ!」
っていうやりとりをしたのはちょっと前。
それから暫くして、とあるテレビ局の番組で優勝賞品として「宇宙旅行」が挙がっているのを網本は見つけてきたらしいんだ。まぁ、それでも僕が網本に言うセリフを若干弄ってしまえばいいだけの話だからさ。例えばこんな風に、
「そんなに行きたきゃ、この番組にでればいいじゃん」
そしたら網本は、
「バカ!この番組は女しか出れねーんだよ!」
「ふーん。そうなのか〜。残念ですね(棒読み」
「というわけで、お前とクリちゃんとメンヘル女を登録しておいた」
「な、な、なんてことするんだよ!許可は得たの?」
「許可?なんで?」
「いや、『なんで?』(網本の真似をしながら)じゃないよ!みんな出てくれるワケないでしょ、そんな面倒臭いのに!」
「優勝したら宇宙旅行行けるんだぜ?」
「別に行きたくないし」
「そんなわけねーだろ!日本人なら行きたくなるはずだ」
「日本人に限定しなくてもいいじゃん!日本人関係ないよね?」
「まぁ、あれだ。うだうだ行ってないで、さっさと料理の練習をしろよ。料理で一番美味しいものが作れた奴が優勝するんだからさ」
そんな適当な事をいって網本のバカタレは僕の部屋の玄関からさっさと姿を消してしまった。なんてことをしてくれるんだよ!僕は絶対にでないからね。そんな面倒臭いのには!