11 コスオタ 2

お風呂から戻ってみるとまだつったってる。
「ソファに座ったら?」
とりあえず言ってみると、ブサ男はふらふらしながらソファに腰を掛けた。まだリュック背負ってる。
「そのリュック何が入ってるの?」
なんだかずっと俺のほうを見てぼーっとしてるブサ男。俺に質問されてハッとわれに返ったみたいで、今の質問がなんだったのかを思い出そうとしているみたいだ。でも聞いてないなら思い出すも何もないな。
「そのリュック」
「あ、う、うん、ええと、これ、その、色々」
「色々?」
「こ、コスプレとか」
こ、コスプレ?コスプレって…こいつコスプレするのか?なんだろう?俺の頭の中には男性がどんなコスプレをするのかが頭をぐるぐるとまわっていた。ニュースとかでやってるコミケ会場でアニメの衣装を来たりする奴だろ?コスプレって。その衣装をこいつは持ち歩いてるのか?何の為に?着替えるのか?…何のために?
「着るの?」
「あ、うん、うん、き、着て欲しいかな」
マジかよ…。
「コスプレって、アニメとかのでしょ?」
「あ、いや、そういうのじゃなくて、スク水とかブルマとか…」
ちょっ…。こいつ、女物のそういうのを持ち歩いてるのか?!って言うことは家で洗濯とかしてるのか?すげぇ…なんだかすげぇヤバイ香りがプンプンしてくる。女と全然話せないクセに、今までデリヘルでこうやってコスプレしてもらってたんだ。
「ここのお店初めてなの?」
「いや、ち、ちがうよ。ほ、他の女の子いつも指名してたんだけど、今日はちょっと早くに仕事が終わって…その」
とりあえず風呂のお湯がそろそろ一杯になっているだろうから、俺はお風呂に行こうとしたんだ。