11 早速ですが…(以下略 6

俺は腰に手を回してきた日和の腕をつねって引き剥がすと、再び背中のほうにまわって「ほら、早く火をつけてよ」と言った。日和は残念そうに「んだよ…ぶつぶつ」とか言いながら、着火棒を握って擦り始める。
「ふぉおおおおおお!」
と吠えながら着火棒をグリグリと回す日和。まだ火はつかない。
「ううううううあああああああああ!!!」
と吠えながら着火棒をグリグリと回す日和。まだ火はつかない。
日和が派手に棒をグリグリと回す度にその振動が身体を伝って俺の身体を揺らす。男の身体っていうのはこうやって激しく動いてる時に力強さみたいなのを感じるなぁ、と思いつつ、俺は日和を応援するという作業を続ける。つまりぴったりと背中におっぱいをくっつけて時々日和の腕とかを後ろから摩りながら。でも全然火がつかないな。
「もー…火が全然つかないじゃん」と俺が言うと、
「ちょ、ちょっと休憩。俺ちょっと茂みのほうに行ってきていいかな」
と日和は何やらティッシュを持ってどこかへと行こうとしてる。
「おい」
「な、なんだよ」
「オナニーしにいくとかじゃないよね?」
「…」
「火をつけてからにしてよ。っていうか、オナニーして性欲抜けたらどうせ力出せなくなるでしょ」
「お、お前、男の身体に詳しいな」
そりゃ中身男だからな。
「いいからその欲求を棒に向けて全力で擦って!」
「いや、俺、それを今からあの茂みでしようと思っt」
「そっちの棒じゃない!」
しぶしぶ日和はまた着火姿勢につく。俺がまた背中にくっつこうとすると、
「あの七海様」
「あ゛ぁ?」
「その、なんていうか、そのビキニの…なんていうか、その…えっと…。ブラ外しておっぱいちょくにくっつけてくれないかな?かな?
「…」
「…」
「…本当に妹だったらそんな事要求して時点で家族会議だよ」
「うん、分かっている。でも俺も本気なんだ」
どういう意味での本気なんだよ…。
俺は渋々上のビキニだけ脱いだ。
「うおおおおおおお!!!!」
「はいはい、わかったから、仕事に戻りましょうね」
「はい!」
俺は日和のちょっと汗ばんできた背中におっぱいをくっつけた。日和が身体をびくっと動かす。相当気持ちいいだろうな…俺も女の子にこんなことやってもらいたいよ。マジで。ほんと、日和と交代したい。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
日和、暗闇のなかで叫ぶ。
この島に、例えば獰猛な動物がいたとしたら、この吠え声にビビって逃げ道はないと思いながらも海中へと飛び込んで逃げるんじゃないかと思った。例えば幽霊だとか得体の知れないものがいたとしたら、この馬鹿二人の行動をみてアホらしくて成仏してしまうのではないかと思った…。
「おおおおおおおお!!!イク!イク!イク!イク!イク!」
「はぁ…全然火がつかないぞー」
「俺の怒りはこんなもんじゃねーっ!」
なんだよその中2病臭い台詞は。
あ、火がついた。煙が出たあと、ボッと音がして火がついた。
「ついた…」
火をつけた日和本人が唖然とした顔で言った。
「すっご。ついた」