11 早速ですが…(以下略 7

俺は火がついたその上から軽くて燃えやすいものを重ねていく。時々炭を置きながら。次第に火が大きくなっていく。
「ここまで燃えたらもう消えないな」
そこらに転がっている薪も集めてくるかな。
と、その前に日和の汗でべとべとのおっぱいを洗ってくるか。
俺は暗闇に包まれている砂浜のほうに足を運んで海水に身体をつけた。ひんやりとして気持ちいいな。でも真っ暗闇だから何かが海水の中に潜んでそうで怖い。海蛇とか居たらそれは暗闇で穴の中に逃げようとするんだっけ…?もしかしてあそこの穴とかに飛び込んでこないか?なんて思っていると怖くなってすぐに水から出た。
そういえば…日和がいない…?
それと、ティッシュがなくなっている。
あいつ、オナニーしに行ったか。
俺は周囲を十分に明るくするほどに火力の上がった薪の上に網を置いて肉を起き始めた。いい香りがしてくる。ひとつ食べてみた。あぁ、やばい。空腹時にこれは幸せすぎる味だなぁ。
「ふぅ…」
と日和が茂みのほうから出てきた。
「終わった?」
「え?」
「オナニー」
「ちょっ、俺はちょっと用を足しにいっただけだ。お、オナニーなんて断じてしていないぞ。ったく、最近の高校生ときたら破廉恥な。女の子がオナニーなんて言葉を口に出すもんじゃないぜ」
「…男でも口に出したらダメじゃん」
それから俺と日和は親父とお袋(新)が帰ってくるまでの間、あの二人の分だけほんの少し(ほんの少しだけ)残して焼肉をガンガン食べた。これでもかっていうぐらいに食べた。お腹がいっぱいになりそうだったけど無人島に自分の子供達二人を置いてどっかに買い物に行ってる親に対する腹いせの意味を含めてガンガン食べた。
それでもまだ帰ってこなかった。
「なぁ、七海」
「ん?」
「お袋と親父、まだ帰ってこないな…。遅すぎねぇ?」
「ん〜…。そういえばそうだね。買い物って行ってももうそろそろ戻ってきてもいい頃だよね。…もしかしたらどの島だったかわからなくなったのかも…?」
「え?…え?」
「いや…無人島、色々あったじゃん。全然関係ない無人島のほうに船を走らせてたりとか」
「やべぇじゃん!」
日和は立ち上がるとバッグのあたりから携帯電話を出した。
「ちょっ!!圏外じゃん!」
「マジ…で?」
「ほら、これ見ろよ」
圏外。
俺の携帯も圏外だ。
迷ってるのなら電話ぐらいかかってもいいはずだよな…。こりゃマジでやばいかも。この前こんな感じのシチュエーションがあったけど、あの時はたまたま俺達が泊まる場所に俺達が行ったからよかったものの…。今回は完全にそういう設備とかないぞ。やばい。