11 早速ですが…(以下略 8

「ど、ど、どうしようか。どうしようか…。とりあえず警察呼ぶか」
日和は携帯電話を持って言う。
「え、えと、警察って何番だっけ?119?」
俺も携帯を開いて番号を打ち込もうとする。少しして、そういえば圏外じゃん。って思い出して携帯を砂の上にぽとんと落としてしまった。
「確か007とかじゃないっけ」と日和。
「圏外だよ」
「うぉぉぉ!そうだった。携帯ダメならDSとかノートとかでやってみるか。ネットに繋いで助けを呼ぼう。ちょっと重いけどネトゲで仲間に呼びかけてみる」
「いや、だから圏外ネタもういいから」
「マジかよ!」
日和も俺もおろおろとしながら、今度はテントの中に入っていった。何をするわけでもない、何故か二人して荷物の中を漁る。遭難した時のグッズとかもあるわけもない、っていうか遭難グッズってなんだよ、俺。
日和は頭を掻きむしりながら、「ど、ど、どうする?どうすればいい?と、とりあえず不安をそらすために二人で抱き合っておこうか」とか言う。
なんでやねん。
「捜索願いとか出すと思うよ」
「えぇ?うちの親が?ケチだからださねーよ。この前ニュース見てた時、山で遭難した時に捜索隊に後で金を払わないといけないとかいう話を聞いてから『絶対払わなないわ、こんなのに』って言ってたぞ!」
「さすがにそれはないと思うよ。親なんだし…」
「っていうか、俺がいつも部屋に閉じこもってエロゲばっかりしてるから、たまには遭難とかしろとか言うかもしれん!クソッ!やべぇぇ!!」
「と、とりあえず、落ち着こうよ」
あたりは完全に真っ暗になっていた。頼りになるのはこの焚火だけだ。夏だから焚き火は熱いし近寄りたくはなかったけども、暗闇に何がいるかよくわかんないから俺達は仕方無しに焚き火から離れる事はなかった。