11 早速ですが…(以下略 9

そろそろ眠くなってきた。
こんな不安になるのに眠くなるもんなんだな。まぁ、最悪、海岸まで泳げばいいんだけど、日和が泳げないからなぁ。
「そろそろ寝るか」と日和。
「う、うん」
危険な動物とかは居ないだろう。小さな無人島だし。
俺と日和はテントの中に入った。
夜は意外と涼しくて、それはテントの中も同様だった。
日和はしばらくDSをしてて遊んでたけどすぐに電源を切った。やっぱり不安な気持ちの中じゃそんなんで遊んでいられないんだろう。
「ねぇ日和」
「ん?」
二人でテントの天井のほうを見ながら話す。
「このまま救助が来なかったらどうする?」
「どうするって…」
「海岸まで泳いだら助かりそうなんだけど…」
「俺泳げないし!」
「あたしは泳げるから、泳いでから助けを呼ぼうか?」
「いや…。ダメだ。途中でサメに襲われたら逃げ場が無いだろ」
「あ…確かに」
そういえばそうだ。瀬戸内海でも時々サメが出る場合がある。被害にあったケースはなかったけど、サメを見かけたって話は時々だけど夕方のニュースでやってる。そりゃ海だからサメも出るよね。
俺は不安の中で、まぶたを閉じて睡魔が来るのを受け入れた。