12 キャスト・アウェイ 1

朝。
多分朝…気温が下がってるからそうだろう。
目を開けると日和が俺の腰つかんでキスする寸前だった。
「おい!」
日和が驚く。
「ちょっ!すごいタイミングで起きるな、お前」
「よくこんな状況でそういう気分になれるな」
「ここは不安を紛らわすという意味でだね」
「なにアホな事を賢そうに語ってるんだよ!」
「頼むよ七海様。七海様ぁぁぁ〜!」
と言いながら日和は仏様を拝むみたいに手と手をあわせている。
「あのさ…不安なのは私も一緒なんだけど。それで日和だけが一人で興奮して気持ちよさそうにしてるというのが我慢ならないです。はい。どっかその辺の茂みに入ってオナニーしてればいいじゃん」
確かに俺はビキニ着たまま寝てたから日和からしてみたら夜這いしたい気持ちになるってのはわからないでもないけど…。この状況で夜這いとかしたいと思うものなのか。
自分の命がやばいって状況だと動物は子孫を残そうと思うのかもしれない。でもそれではいそうですかと納得する俺ではないぞ。
「そうか!そうだよな…お前も不安なんだ。うん、気持ちはわかるぞ。だからここはお互いに気持ちよくなっt」
「嫌です」
「なんでだよ!」
「普通、血のつながりがないとはいえ、妹とセックスする奴とかいないし」
「じゃ、じゃあ、セックス以外でなら気持よくなってもいいわけだな」
「なぜそうなる」
「そりゃ、俺がムラムラしてるからお前もそうだと思って」
俺は中身男だから男見てもムラムラしねーよ!
「日和の裸を見てもムラムラしないって」
「それじゃ、触ったらどうかな?かな?
「え?」
「俺がお前の身体を触って、それでお前が気持ちよくなる。お互いがお互いの身体を気持よくさせるって事だよ!そりゃ、俺ばっかり気持よくなるのは悪いし」
…つまり…。電動コケシみたいな役割を日和が演じるということか…。んん…確かに俺は昨日からオナニーしてないし、悪くはない案ではあるな。相手が女の子だったらベストなんだけど、そんなレズっ子居ないしな。
「ん〜…わかった」
日和が目を輝かせた。
「よしよし!さすがはわが妹だ!」