13 救助艇到着 1

暑さで目を覚ました。
俺は寝てたみたいだ。
そりゃそうだ、日和の身体にくっついて寝てたんだから、気温があがってきたら普通よりも暑くてしょうがなくなるのは誰でもわかる。日和も「あっちぃ!」と言って俺から離れた。
もう昼?なのか?
俺と日和はどうやら素っ裸のままで汗だくでテントの中にいるようだ。
なんだか素っ裸になっているのが違和感を感じて、俺はビキニを着た。日和もなんだか明るいテント内に素っ裸の女と男でいるのに違和感を感じたみたいだ。すぐさまそそくさと海パンを履いた。
「親、帰って来てないのかよ?」と言ってる。
「まだ帰ってきてないみたい。でも帰ってきてたらやばかった」
「お、おう…やばいな」
自分達の子供、兄弟が素っ裸で抱き合ってるんだ。そりゃ見つかったら俺達は死刑宣告うけたみたいな感じになるだろうよ。
「ちょっと水浴びしてくる」
と俺は言ってからテントを離れた。その後を日和が、「俺も俺も」と言って付いてくる。その後「って、おい、そこは突っ込めよ」と言う。
「え?」
「なんだろ、違和感ないな…。普通、女だったら一緒に水浴びでもするのなら『来ないでよ!』とでも言うだろ」
「まぁ、そうだね」
そりゃ俺が中身男だからさ。
水浴びって言ってもこの島、水が出てるところあるのか?こんな小さな無人島に…。と、俺達は砂浜から離れて森になってるところに入っていく。俺のイメージではこの森の中に滝とか小川が流れてて…というのは本当に自分の都合のいいイメージなわけで、実際にはそこにあったのは湧き水っぽう、本当に溝っていう程度の小さなところだ。でも真水が湧いてるのはいいかな。
「ちょっと待ってろ、あれ持ってくるから。バケツ」
「あ、うん」
日和がバケツを取りに行っている間、俺はそういえば本当に親たち戻って来なかったな、と思った。
捜索願とかも出してないみたいなんだ。もし出してたら海水浴場から近いこの島が真っ先に捜索対象になるだろうがよ。マジで何やってんだろ。っていうか今何時?携帯テントの中だっけ…。これで真昼間だったら本当の親達は俺達を無人島に『捨てに』行ったと思って間違いないぞ。