22 2xxx年宇宙の旅 2

旅行出発の朝が来た。
取りあえずはバス停に観光バスが来るって言われてるので、それまでの間、僕は旅行に必要なものを整理していた。
クシやドライヤー、歯ブラシに歯磨き粉、えっと、あとはタオルに下着に…。それからPADと衛星通信デバイスも。軌道エレベーターや宇宙ステーションで使えるかどうか分からないけど。というか無線が通じるはずだよね〜。もし全部使えなかった時の為にとお気に入りの2次元の女の子の絵詰め合わせPADもあわせえて持参した。これはもしもっていう時にネットに繋がらなかった時でも僕の好きなアニメのキャラが見れるという優れものなのだ。
「ぶーちゃん、順部できた?」
部屋の扉をコンコンとやって中を除いてみたらぶーちゃんは旅行バッグの中に大量の食料を押し込んでいる最中だった。てっきりお菓子を持っていくものだと思っていたけど違う。お菓子はお菓子専用バッグに入ってる。つまり、他にも沢山お菓子以外の食料が入ってるバッグがある。
「ぶーちゃん、宇宙ステーションでも食べ物食べれると思うよ。宇宙食とかはネタとしてお客に出してるけど、基本的には普通の料理が出るんだって書いてあったよ。パンフレットに」
「そ、そうかも知れないけど、ぼ、ぼぼぼ、僕は途中でお腹が空いた時のたたた為のものをもも持ってい、行こうと思うんだ。き、きき軌道エレベーターって宇宙ステーションににに、到着するまでも長いっていうし…」
「ふーん…」
それからぶーちゃんは僕のほうをみて、
「な、ナオちゃん、宇宙に行くのにそんな格好で、だ、大丈夫なの?」
そんな格好と言われたのはキャミソールとハーフパンツのことかな。ぶーちゃんはまじまじと僕の格好を見ながら、
「ま、まぁ、今はもう夏だし、わ、悪くはないかな」
と言った。顔を赤らめながらだけどね。
「宇宙空間って寒いんだっけ?」
「さ、さぁ…どうなんだろ…」
僕とぶーちゃんがしばらく話してると、背後に気配が。その気配から伸びてきた手が僕の両肩を鷲掴みして、
「さっさと支度を終わらせろお前ら!30分前集合って軍隊で習わなかったのか!バカどもが!」
と網本の声。僕の肩をガシガシと揺らしながらそう吠えてる。
「まだ時間あるじゃん、30分どころじゃないぐらい時間あるじゃん…。本当に田舎者臭いなぁ…」
「お前、なんだその格好は!ビッチ御用達のスケベ服じゃねーか!そんな破廉恥な格好で宇宙様に行こうって言うのか?えぇ?!」
網本は僕を軽くひっくり返して正面を向かせたあと、僕のおっぱいを両手で下から持ち上げて谷間を作ったりさせながら吠えた。
「ちょっとその汚らしい手をどけてよ」
僕は両手を払い退けながら言った。網本は何かにつけて罵倒とスケベな事を平行しながらやってくるんだよね、さりげなく。だから嫌いなんだよ。そんなにスケベな事がしたいならお金を溜めてアンドロイドを買えばいいのに。
「いいか、さっさと仕度してバス停に待機だ。バス到着30分前にはバス停についていなければならないが、何かあったらいけないのでアパートを出るのはバス停に集合する30分前だ!」
アパートからバス停まで5分ぐらいで到着するのになんで30分も掛けて移動しなくちゃいけないんだよ。ほふく前進でもしながらいくの?