22 2xxx年宇宙の旅 11

乗り心地が悪くて魚臭い船を降りた僕達観光客一団はぞろぞろとゾンビの様に軌道エレベータの地上部分へと向かうロープウェイ駅に向かった。
軌道エレベータの地上部分…つまりは巨大な空中庭園となっている場所へは複数のロープウェイから向かうようになっているっぽい。いったんは人は物資を空中庭園んへと運んでから軌道エレベータで宇宙まで送るんだろうと思うよ。
僕も含めてここに来てる観光客はもちろん、観光客の気分でここに来てるのだから、そもそも軌道エレベータは観光用じゃなくて純粋に宇宙へと物資を輸送するものだっていう雰囲気が目の当たりにするそれぞれ施設から漂ってくるのには、やっぱり違和感を覚えていた。
観光メインの施設じゃないから、物資の空中庭園への輸送をするお仕事をしている人の脇のほうを目立たないようにひっそりと歩いてく。工場見学みたいな気分だ。そして戦時中に登場してたような人の形をしたドロイド…いや、人が乗っているからモビルスーツとでもいうのかな。それが荷物を運んでいた。色々な形がある荷物を運ぶのはやっぱりそういうタイプの機械が汎用性があるみたいだ。
物資運搬用のロープウェイの脇に作業員用のロープウェイ乗り場が設けられている。
僕達はそこから空中庭園へと向かう。
「すっげぇな、見てみろよあれ」
網本が指差す先にはタンクローリー車の荷台の部分がそのままロープウェイになったようなものが上へと昇っていく。これは水だとかガソリンだとかの液体運搬用なのかな。他にも、トラックの荷台のようなものから何かの宇宙ステーションの部品のようなもの、監視衛星らしきもの?、ロケットの部品みたいなのまで、色々と宇宙へと送られる予定の物が空中庭園へと運ばれていく。
「宇宙に都市でも作るつもりなのかな?」
「月の鉱物資源採掘関係の物資だな」
クリさんは物資のリストをどこぞからハッキングしたのか、手持ちのPADの上に並べている。記述は英語とマレー語?わけのわかんない文字も並んでいる。
いよいよ僕達は空中庭園に到着した。
ここに一晩泊まった後、明日、宇宙に行くんだ。
そう思うとちょっとドキドキしますね。