22 2xxx年宇宙の旅 13

ホテルの内装は…外装と比べるとイメージががらりと変わっていた。洋風じゃない。和風なんだよ。騙されたって気分だったよ!遥々日本からマレーシアまで来てるのになんでホテルが和風なの…。
僕達の荷物は和服姿の現地の人?が部屋まで持っていった。
ロビーには囲炉裏が置いてあって、その周囲に座敷がある。無理に作られたような和風空間で僕達は最初のおもてなしを受けていた。お茶が出てきた…。
「日本人をもてなす気持ちっていうのが溢れていていいねぇ」
などと言いながら網本はお茶をすすっている。
「マレーシアっぽいホテルかと思ってたら和風じゃん。騙された。きっと夕食も全部和食だよ。あーあ、遥々日本から来て日本食を食べるって、日本で食べたほうがいいんじゃないかなぁ」
「バカだなお前は」
「え?」
「これはマレーシアに住む人にとっての最高のおもてなしなんだよ、日本人に対するな。和を理解しているじゃねーか。それに、もしマレー料理でもでようものならあのじいさん、ばあさん達が食べれると思うか?きっとまずいだの口が合わないだの若い人向けの料理だの歯がないから食えないだの散々文句を並べた挙句に、食べた途端に下痢便噴出させるぞ」
「いや、もしかしたら、このホテルのチョイスってジジイ・ババアセンスなんじゃないかな?他に沢山ホテルあったけど、テラス付いてるホテルなんか思いっきり洋風の部屋だったよ。外から見えたもん」
「あれだ、宇宙旅行なんだからホテルに愚痴言ってもしょうがないぜ」
確かにそうなんだけどさー。
「ぶーちゃん、和食のコース料理だったら食べ放題じゃないかも」
「え、え…そんなぁ。それだけが楽しみだったのに」
ああ…残念。
クリさんはさっきから目を瞑ってから何やら怪しげな事をしているみたいだ。ホテルの情報をハッキングしているというのかな。
「このホテルは外観は洋風だが内装は和風にしているようだな。屋上に露天風呂もあるぞ」
「そうなんだ…」
「というより、この空中庭園のホテル街は色々な国の文化が楽しめるようになっているようだ。ホテル街の横には歓楽街もあるみたいだな。色々な国の性の文化も楽しめるみたいだな」
「そっちの情報はいいや…」
と僕は退けたけど目を輝かせる人がここに。
「マジかよ!よし、久しぶりにハメハメしてくるかなッ!」
うわー…始まっちゃったよ。
「クリさん、他には何かないの?」
「歓楽街にホテル街に、後はおみやげ屋かな」
「ああ、どうせ軌道エレベータTシャツとか軌道エレベータ煎餅だとか、軌道エレベータまんじゅうとかでしょ。売ってるのは」
「よくわかったな」
「…」