22 2xxx年宇宙の旅 14

部屋の準備が出来たらしくて、僕達はおじいさん・おばあさん連中に引き続いて部屋へと移動した。52階にある海が見える一室、らしい。ホテルの従業員の女性が下手くそな、ちょっと違和感のある日本語で説明してくれた。
「あの、やっぱり部屋って和風なんですか?」
と僕が聞くと、
「申し訳ございません。お客が泊まられる部屋は残念ながら洋風です」
おぉ!洋風なんだ。そっか、和風に改造してるって事なのかな。いや、待てよ…待ってよ。今やばい事に気付いたんだけど。もしかして男性陣と女性陣は同じ部屋じゃないよね?
「すいません、部屋は4人で1部屋ですか?」
「いえ、4人で2部屋です」
よかった。
「それじゃあ俺はクリちゃんかナオのどっちかと同じ部屋になればいいわけだな」
「いや有り得ないし。あたしとクリさんが同じ部屋。女性と男性で分かれるんだよ!ぶーちゃんはともかく、網本と同じ部屋になったら何されるかわかったもんじゃないよ!」
「チッ…」
部屋は廊下の突き当たり、本当に海が見える一番良い位置だ。
ドアを開けるとそこには洋風の家具などが色々と目に飛び込んでくる。ああ、凄い。これぞリゾート地って感じだよね!これを待っていたんだよ。残念ながらマレーシアっぽい作りじゃないけど、僕もマレーシアっぽい作りのホテルがどういうのかわかんないからいいや。そして部屋に入って最初にやるのがベッドにダイブすること!これは外せないね!巨大なダブルベッドに僕は「ひゃはーい!」とか叫びながら飛び込ん…ん?
ちょっと待って…?
僕はベッドにうつ伏せになったまま、ちょっと考えてみた。ベッドが一つしかないぞ?
「クリさん…」
「ベッドが一つしかないな」
「まぁいいか…」
向こうの男性陣の部屋はどうなっているのかなー。きっと同じだろうなー。ああ…どっちが可哀想とかは今は言えないや。ぶーちゃん寝相が悪いから網本はプレスされるだろうな。
「ふむ。これはなかなか素晴らしいな」
クリさんが言う。なんだろ?
と見てみると、突然クリさんが服を脱ぎ始めた。随分とスタイルのいい女体が僕の目の前にあらわになっていく。そしてクリさんはそのままベランダのほうへ…。
「なにやってるの…」
後をつけてみると、凄い。クリさんが言うように凄い。ベランダ…というか屋外にはプールという奴なのかな。外人様のいう屋外お風呂がある。泡が出てる。そこから海が、夕日が沈もうとしている夕日が見えるんだ。
「すげー…」
「ナオは入らないのか?」
既にクリさんはお風呂に浸かっていた。どこから持ってきたのかシャンパンらしきものからグラスに注いでそれを飲んでいる。
「うん、入る」
僕もその場に脱ぎ散らかしてお風呂にどぶん。グラスを一つ貰って優雅にシャンパンを飲みながら夕日を眺めた。色々と貧乏くじ的な事が起きたけど、最後がこれならいっかな。なんて思ってみたりして。いや、最後じゃないんだけどね、明日がメインなんだけどね。
「ん?誰かきたな?」
クリさんが部屋の入口のほうを見る。げ、網本のぶーちゃん。
「お、さっそく風呂に入ってるわけだな、メスども〜」
と服を脱ぎ始める網本。
「え、ちょっ。自分の部屋のお風呂に入りなよ!」
「ねーんだよ!俺達の部屋は和室なんだよ!」
「あ、っそう。じゃない、こっち来ないで!」
「おい、デブ、お前も風呂入れよ」「う、うん」
いやいや、混浴じゃないっての。