2 新しい友達 1

一番最初の休憩時間。
ボクは自分の想像ではクラスの色んな人達が沢山集まってきて、どこから来たのとか、どこに住んでるのとか、部活はいらない?とか聞いてきたりするのが希望的観測で1割ぐらいはあったんだけど、やっぱりそんな漫画みたいな事は起きないや。ボクの席にはさっきのアヤメが来て、それから彼女の友達が数人来たんだ。
一人はボクと同じぐらい背の小さな女の子で、可愛くてスタイルもいい。栗色の柔らかそうな髪が肩まであって、ピンクのぷりっとした舌唇もセクシーなんだ。胸にしても大きすぎず小さすぎず。でも小柄な身体のわりにはちょっと大きいかも。
最近の流行なのかブラウスはネクタイを緩くしてボタンをちょっと外すみたいだ。屈めば胸の谷間が見えてしまいそうな…それからちょっとだけピンクのブラも顔を覗かせて、よくみるとブラウスの胸元、それから胸の谷間とかにクッキーの食べかすが沢山あった。さっきはまだ朝会だったのにもうお菓子を食べてたのかな。あ、やっぱりそうだ。さっきまで食べてたと思われるクッキーの入ったプラスティックの容器を持ってアヤメの席に来ると、それを出しては口に放り込んで食べ始めた。
「コイツは眞田(さなだ)キヨハル。男の時は身長180センチの体重150キロで超デブだったけど、女の子になってからはごらんの通りだ。胃も胃下垂になったみたいで、食べたものが吸収されないから太らない。それをいいことに欲望の赴くままに食べてるのさ」
とアヤメはぽんとキヨハルの頭を叩いた。それからキヨハルは
「ひょろひく(よろしく)です〜」と口の中のクッキーをポリポリと噛み砕きながらニヤけて言った。周囲にクッキーの甘い香りが広がってる。なんだか憎めないキャラだし、顔も可愛いし、ボクが男だったらこういう女の子は好きになってたかなぁ。