2 新しい友達 3

むっつりんこと、りんりんが写真を撮ろうとしてる子は他にもいて、その子は椅子に座って何かの雑誌を見てるみたいだ。アヤメも気になってるのか、時々話しながら雑誌に目が行ってる。
その子はボクよりもちょっと背の高い(と言ってもボクはそもそもちっさいので男子から見たら女子としては普通の背の高さの)胸もそれに見合って大きくて、なんていうんだろ。ボクが前にいた中学では学年に一人はそういう感じの女子としてレベルが一番高い女の子が居たんだけど、そういう位置づけなんだ。バランスが整っているというか攻守揃っているというか。
その子は栗色の柔らかそうな髪は肩まであって、それでいてほっぺをいつも赤くしててエロ目でブラウスのボタンを3つぐらい外しててそこからピンクのブラと白い胸の谷間が顔を覗かせてる。ブラも結構大胆で、ちょっとずらすと乳首が見えちゃうんじゃないかって、いまちょっとピンクの乳首が見えちゃった。って感じの風俗の人とかが着るようなエッチな下着だ。
そしてその子の周囲にはカトレアとか、石鹸みたいないい香りが漂ってくる。いかにも男を誘ってるって感じの雰囲気をかもし出してる。
「んでコイツが、」ってアヤメが紹介しようとしたら、その美少女ゲームのエッチシーンで女の子が感じてるような顔が普段からの顔になっちゃってるような女の子が、
「金井珠三郎でござる」
…と自己紹介。
…って、ギャップありすぎ。
「コイツは男だった時から既にアレな奴でね、休みの日となると街にナンパに出掛けてたヤリチン野郎なんだぜ」
「や、やりちん…」
なんだか凄いナンパ師を想像しちゃった。いいなぁ…童貞卒業してるって事なんだろうなぁ。ボク、童貞のまま女の子になっちゃったから。何だかそんな話を聞くと虚しい気持ちになる。
「せ、拙者、ヤリチンなどと言われる覚えはないでござる」
とかいいながら珠三郎は身体をちょっと捩じらせて胸の谷間を強調する。
「ん?じゃあウケのほうだったのか?」
へ?ウケ?
「そ、そうでござるよ…そんな肉食系な呼び方は酷いでござる。こう見えても男だった時から女装していたゆえ、みなさんよりも化粧の仕方は熟練されているでござる」
女装…。えと…つまり。
「ああ、ナンパってのは男相手にね。コイツ、ホモなんだよ」
「うわぁ…」
ってボクが言ったら、顔をさらに赤らめて瞳に涙を浮かべて、
「そ、そのような得体の知れぬものを見るような目は失敬なり…。今は女ゆえ、女装も男子に恋するのも理にかなっているでござろう」
「そ、そうだね、そうだよね。ごめん」
「いいのでござるよ。おぬし等もこれをごらんになるか?」
さっきから見てた雑誌を差し出された。
あ。男の人の裸だ…。