2 新しい友達 6

「3つのグループ?」
そんなのは気づかなかったな。あ、でも3つに分かれてるかどうかはわかんないけど、なんとなく雰囲気が違うのは判った気がする。
「まずは僕達のグループ。新聞部が中心になってるグループ」
「新聞部?」
「あぁ、き、キミには言ってなか。僕達、新聞部なんだよ。新聞部っていうか部活じゃなくて生徒会からの指示で定期的に校内報ださないといけないんだよね。部長はアヤメだ」
「へぇぇ〜」
アヤメと目が合った。
「どうどう?入る?」
「あ、えと、ちょっと考えさせて」
「いいよいいよ〜考えちゃって」
再びユタカが解説を始める。
「それで、川尻お嬢様のグループ」
「川尻お嬢様?」
「川尻麗華。僕は中学の時、つまりあいつがまだ男の時から一緒だったからな。金持ちであんまりいい印象じゃなかった。どっちかっていうとクラスでも目立ってて威張って。マセてるっていうのが正しい言い方かな。いるだろう?やたらと女と仲がいい奴」
「ああ〜わかる。ボクもそういうのは苦手だなぁ」
ボクの場合はいつも大人しい友達の仲にいたからね、影ではそういうイケメン連中に毛虫みたいに扱われた事がある。あいつら、自分よりも弱い立場の奴らには容赦ないからさ。やっぱり女になっても雰囲気は変わらないもんだね。川尻って人は周囲に同じようなマセてる女をはべらせてる。でもアレ、全部元は男なんだよね。
「それと、もうひとついるグループが」
と、ユタカは視線でその人達がどこにいるのかを伝えるんだけど、
「んん?」
「あんまりじっと見つめちゃダメだよ」
「そうなの?」