3 新生活・新部活 1

アヤメがボクに聞いてきたのは「部活何に入る?」だった。
そういえば先生にも同じ質問をされてたんだ。実は何に入るかはまだ決めていない。新聞部がいいかなぁ、って8割ぐらいは思ってるんだけど、他の部活がどんなのかを見てみたいんだよ。
「ん〜。今考え中」
「ほうほう」
「どんなのがあるのか見学してみたいって思ってるよ」
「んじゃ、オレが案内してやるよ」
「ありがとう。時間いいの?」
「いいって事よ〜」
というわけで、ボクはアヤメとその後ろを黙ってついてくるむっつりん(りん子)の3人で部活見学に行く事にしたんだ。
「ま、とりあえず最初は…新聞部にするか」
「やっぱりそうだよね」
というわけで、新聞部の部室前。
部室といっても家庭科室だとか理科室がある棟の最上階、その中のなんとか準備室の一つが新聞部の部室になっていた。なんとか準備室っていう札の上に紙で「新聞部」って(手書きで)貼ってあった。
「ようこそ我が新聞部へ!部長のアヤメです」
「知ってます」
アヤメがガラっと部室の扉を開けると、中にはパソコンが3台、テレビが1台、テレビゲームが1台、お菓子が詰まった棚が一つ、座布団が6つ、それからコタツにもなる4つ足テーブルが一つ置いてあった。この部屋をみて新聞部だって当てるのは難しそう。
そして、ボクが一番驚いたのは新聞部って男子(姿も中身も)がいるんだよね。パソコン触ってる。
「いよっ!仕事してるかぁ?」
アヤメがその男子に向かって言う。
「ん?ああ、はい、してますよ〜」
と、その男子はアヤメに言った、んだけど、その後ボクのほうを見た。じっと見た。まるで雷にでも撃たれて身体が動かなくなったみたいに、こっちを見た。