3 新生活・新部活 2

「部活見学をしたいって人を連れてきたんだよ、ほら、お茶、お茶。テキパキ動け!」
アヤメがそういうと、その男子はボクを見て一瞬動かなくなった身体を文字通りテキパキと動かしてお茶の準備をしていた。
「コイツが新聞部の雑用係、北田君だよ」
「よろしくお願いします」
ボクがそう頭を下げると、「あ、どうも」って小さな声で北田君はぺこりと小さく頭を下げた。なんだかとても恥ずかしそうにしている。
「お、北田君の好みだったのかなぁ?」
あぁ、アヤメが意地悪な質問をしてる。
「え、いや、好みとかそういうんじゃ…」
「それじゃあ、嫌いな感じの人ってこと?」
「ち、違いますよ!」
そういう弄り方をしながらニヤニヤとするアヤメ。
それにしても、新聞部って新聞部らしい活動全然してない感じに見えるなぁ。と、ボクが部屋を見渡しながら思っていると、
「どう、どう?新聞部入りたくなってきたっしょ?」とアヤメ。
「ん〜作文あんまりできないけど、大丈夫かな」
「ぜんぜーん、大丈夫よ、写真はむっつりんが撮るし、文章は北田君が全部書いてくれるし」
「他の人は何をしてるの?」
「学園生活を満喫」
「…」
「ええいっ、そんな目で見るな!北田君だって自ら進んでやってくれてるから迷惑掛けてる事にはならないでしょ」
「ふーん、そうなんだ」
と、ボクが北田のほうを見ると、顔を赤らめて目を逸らす北田。
「お?顔が赤くなったぞぉ?」と、それを見てから茶化すアヤメ。よく分んないけど、北田にとってはボクは好みの女子だったらしい。それにしても、この部って北田君以外は女子なんだよね、うらやましい。