3 新生活・新部活 3

次に向かうのは、部活棟って呼ばれてる場所で文科系の部が密集してるところだった。今時の木造校舎。もうそれだけでアンティーク臭漂ってきそう。
「音楽室?」
「そそ、休館音楽室。今は軽音部の部室になってるよ」
けいおん部?」
「ん、まぁ、もともと軽音部はうちの高校には無かったけど最近できたのさ。理由を聞いたら驚くと思うよ」
「へぇ〜。なんなの?」
けいおんってアニメがあるんだけど、アニオタがそれを絶賛しててね、うちの学校のアニオタも同じく絶賛して自分達でアニメを再現してやろうと作ったのがこの部活ね」
軋む扉を開けると、その先にはテーブルを囲む4人の女子。一人は黒髪ロングの胸が大きい女の子、一人はクリーム色髪ロングで同じく胸が大きい、そして眉毛が太い、一人は茶髪でヘアバンドで長い髪をまとめてる。最後の一人はボサボサ髪で黒タイツ…っていうか、制服がうちの高校のものじゃないんだけど…。こ、これは一体なんなんでしょう?
「んん?入部希望者ぁ?」
ボサボサ髪で黒タイツの女の子が言う。
「いや〜。見学しに来ただけ」
「なーんだ。アヤメが連れてきたから、あずにゃん枠の人を見つけたのかと思った。けど、ちょっと違うねぇ、似てないや」
あずにゃん枠?
「いやーわりぃわりぃ。この子、部活何に入ろうか迷ってるからちょっと見学させてるのよ」
「新聞部に入れればいいじゃん」
「まだ決心ついてないわけよ」
軽音部っていうからギターだとかの練習してるのかと思ったらテーブルを囲んでお茶とお菓子を楽しんでいる最中みたいだ。なんだろう、新聞部と同じ香りがする部活だなぁ。
茶髪でヘアバンドした女の子が言う。
「んじゃ、あずにゃんぽい人見つけたら引き続きお願い」
「ほーい」
音楽室を出てあと、「あずにゃんって?」と聞いてみた。
けいおんに出てくるキャラだよ。とりあえずあずにゃんが入部したら彼らの目的は8割達成なんだけど、なかなかそれにあうような人がいない。いるにはいるけど、アニオタじゃない人を無理やり入部させるわけにもいかないからなぁ」
「何がしたいのかいまいちわかんない…軽音部だからギターとかベースとかで文化祭でコンサート開いたりしないのかな?」
「あー。それをただのアニオタに強要するのは酷ってもんだわ。彼らはせいぜいメイド服着たりバニーの姿で校門前でビラ配りするのが限界だよ」
「ん〜。よくわかんないけど、それもアニメなんだよね」
「そそ」
もっと普通の部活を紹介して欲しいなぁ…。