4 新聞部へようこそ 3

むっつりんと北田君は真っ先に来ていたけど、それからは誰も来なかった。開始時間はもうとっくに過ぎてるのにさ。で、結局全員集まったのは既に開始予定から1時間経過してからだったよ。ったく。
「えっと、新たに新聞部に入部する事になりました、ユウキです」
「(ぱちぱち)」
「メンバーは知ってるよね?」
「北田君以外は」
と、ボクがちらりと北田君のほうを見てみると、顔を赤くして俯いた。
アヤメが説明する。
「あぁ、北田君はあれだよ、簡単に言えばむっつりすけべ」
「やっぱり」
慌てて誤解を解こうとする北田君。
「え、ちょっ、違いますよ!」
「むっつりんのお得意様じゃないか」
「いや…その…」
まぁ、大体想像つくけど、お得意様って?
「お得意様って何?」
「エッチな写真をむっつりんから買ってるんだよ。この学校の女子の事ならむっつりん並に知ってる」
「ふーん…」
ボクはじろりと北田君を見た。また顔を赤くして俯く。
「よし、それじゃあ新聞部の事について説明するね」
「はーい」
アヤメはホワイトボードの前に経ってからマジックを握って、左隅に「新聞部について」なんて書き始めた。
書くほどに説明が沢山あるのかな?
「えっと、新聞部っていうのは…生徒会執行部から独立したところでさ、もとは新聞部の活動は生徒会がやってたんだよ。仕事が多くなってきて写真部と新聞部という形で生徒会から独立、私達が今ここにいるわけ」
「じゃあ、みんなもともと生徒会だったんだ?」
「そそ、そういうこと。んで、新聞部の主な活動は…」
「新聞を書くこと?」
「まぁ、それは表向きです。本当はこの部屋でダラダラとゲームしたりアニメみたりしてます」
「うわ…ダメ部だぁぁ」
「こら!ダメ部とかいうな!」
「だって…」
「実はこの新聞部はね、写真部と並んでこの高校に通っている生徒達にとってとてもとても重要な役割があるんだよ」
「重要な役割?」
「はい、そこで、これをお見せします」
アヤメが出したのは新聞部が発行したと思われる壁新聞だった。パソコンの環境が整っていると結構プロ並みにいい感じに編集されているんだ。写真と文字が実際の新聞の如く綺麗に配置されていて、…って、写真の量は多いなぁ。新聞っていうよりも週刊誌?ん?でもよく見ると、この写真…全部が全部、性的な意味でベストショットだよ!なんだよ、この激写特集は!
「ふふふ…ようやく解ったようね」
「うん…」
「そう。ここに並んでいる写真の数々は一見すると健気に学生生活を送っている健康優良児的な学生を映しているように思えるけどね、実は全部セクシーショットなのです。新聞部と写真部を掛け持ちしているむっつりんの才能の一部がここに披露されているわけなんだけどね」
「すっごぃ…っていうか、よく怒られないね。先生とか文句言わないの?」
「え?先生って言っても全員男性、生徒も全員男性、そんな高校で男子の写真が必要になるのかな?」
「そっか。文句言う人いないんだ…」
「ま、撮られた側は文句いうけどね」
「そりゃそうでしょ」