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その日、ボクのクラスのホームルームでは体育祭の話題だった。
この高校の体育祭はちょうどこの時期、梅雨明けでじわじわと暑くなってきて場所によってはプール開きがある時期に行われるみたいなんだ。そして、ボクがまず注目してしまったのはプール開きも体育祭で行われてしまうというところなんだ。
「プール開き」
むっつりんことりん子がマフラーと(この時期でもマフラーは外さないのか…)前髪の隙間にある写輪眼のような鋭い眼光をギラリと光らせながらぽつりと呟いた。なんとなく何を考えているのかわかってしまった。そうだよね、プール開きとくればスク水なんだよね。それでカメラのレンズを綺麗に磨いたのか。でもプール開きは体育祭の日だよ。今日じゃないよ。
「気が早いなーっ。むっつりんは」
アヤメが言った。
「そんなに凄いの?体育祭って」とボクが聞くと、
「え?なになに?すごいってどういう意味よ?」
とアヤメがつっこんでくる。
「いや、その…。むっつりん的な何か」
「だめーだよー。ちゃんと回答するんだ!」
「だからさ、胸チラとかパンチラとかそういうのがあるのかと思って」
「ふふ…スケベだねぇ。ではスケベな君に免じて教えてあげようか。我が高校の体育祭は普通の高校と違ってプールを使う競技も入る。そして数年前に行われた生徒会で男子達の強い希望と邪念によって、男女が協力してやるってパターンの競技を体育祭で取り入れる事になったのだ…それにはもちろんプール上の競技も含む。つまり、年に一度だけ、わが校の男子生徒達にとって学生時代のいい思い出を作ることが出来る日、それが体育祭の日なのだ」
「あー、うん、つまり逆なら良かったなーって事かな…」
「うん。逆ならよかった。あぁぁ…俺も女の子のおっぱい触ったり水着に指突っ込んだりしてぇーっ」
久しぶりにアヤメが男の本能ムキ出しにしてる。
「(ごくり)」
隣からつばを飲み込む音が聞こえた…。むっつりんか…。