5 騎馬戦人気投票 4

開票が始まった!
「えと、まず最初に…神原さん!神原ユウキさん」
「げっ!」
なんで一発目から…。
「神原ユウキさん」
ちょっ…。
「ユウキちゃん」
なに…。
「僕の天使、ユウキちゃん…誰だこれ書いたのは(笑い声」
やめろーっ!!
「キヨハル」
よし…。ボクのラッシュは終わったか?
「睦りん子」
よしよし!
「睦りん子」
「りん子ちゃん」
「りん子…呼び捨てかよ」
むっつりん、無言でホワイトボードを睨んでる…。あれ?怒ってる?あ…そうか…むっつりんにとってはカメラを回すのが楽しみでしょうがなかったはずだ。そうだよ。一番カメラでチラリとかポロリを撮りたがってたはずだ。まさか自分が出場するなんて思っていもいなかったはずだ…。あぁぁ可哀想なむっつりん。まさか撮られる側にまわるとは。
「キヨハル」
「キヨハル」
「キヨハル」
おお!キヨハル人気だ!
「むぅ…あんまり動きたくないんだけどなぁ…」
とキヨハルはポリポリとビスケットを食べながら言う。
「竹井さん」
「竹井豊」
2名連続で当たってきた時、ユタカはいつもみたくメガネをかちゃとあげてから一言、
「僕を推薦しても仕方ないと思うね…」
「ん?なんで?」と司会者の男子が聞き返す。
「何故なら、僕はスクール水着を持っていない」
そうか…ラブホテルにはスクール水着のレンタルは無いんだ。ああいう肌に直に当たるコスプレ…いや、サイズが限られているコスプレはレンタルされていないんだろう。
スクール水着持ってないなら男子で金だしあって買ってあげるよ」と誰がが言う。それに続いて「そうだそうだ」という声も。あらら…作戦失敗か。ユタカはメガネをキリリと上げて、
「ん…いいのか。では、出来ればバスタオルとそれらを入れるバッグも買ってくれ…さすがにスクール水着だけでは形にならない」
そっちなのかよ。
「みやむらちゃん」
あのぼっちな宮村さんにもファンがいたのか。これだけうるさく開票が行われているのに、ヘッドフォンをしているせいか一人の世界を築き上げている。全然周囲にお構いなしで机につっぷしたままだ。すごい。あとで自分が参加ってのを知ったら一体どんな顔するんだろ。
それからアニオタの斉藤も何故か何票か取っている。カリカリとノートに絵を書いてるのを止めてから凄い不安そうな顔でホワイトボードを見ていた。自分の名前の横に正の字が並んでいくのが苦痛だったみたいだ。
ここまで開票作業が行われて、どうやら男子にとっての人気の傾向があるのがわかった。というより、指名しやすい傾向なのかな。ボクとかみたいなあんまりツンツンした性格に見えない人が推薦されちゃうみたいだ。だからツンツンした性格のアヤメとかは一票も入ってない。あと川尻お嬢様のグループも川尻お嬢様には2票入ってたけど他にはなし。自分を推薦したら殺すとか言ってた例の不良グループにはもちろん誰も票を入れなかった。
というわけで、何故か新聞部を中心に(ボクももちろん)参加になってしまった…。